ゲーム『Darkest Hour(DH)』は、広義の『Hearts of Iron 2』ではありますが、厳密にはParadox Interactive社の製品ではないという独特な立ち位置を有しているタイトルです。
このため、『Hearts of Iron II』の開発終了に伴って公開されたEurope Engineを用いて、DHはサードパーティによって制作されました。それでも、ゲームエンジンはParadox Interactiveのものであり、パブリッシャーとしての立ち位置は保持しています。
DHもまた、公式においては日本語がサポートされていません。しかしながら、有志によって日本語化MODが公開されており、こちらを導入することでストレスフリーな”暗黒の時代”を追体験が可能になるでしょう。
Steamリンク:Darkest Hour: A Hearts of Iron Game
「DH日本語化MOD」導入手順
DHの日本語化にあたっては、以下の2つの手順を実施することになります。手順そのものはシンプルながら、環境によってはエラーやトラブルが起き得るため、導入が上手くいかない場合は後段の「DH日本語化失敗の解決策」項目をご覧ください。
- パッチャー(EuropaEnginePatcher)を適用する
- 和訳ファイル(JPN1051_classic_a02)を適用する
なお、ファイルのダウンロードおよび解凍プロセスが必要になります。セキュリティソフトの設定などでダウンロードが弾かれる場合は、除外URLを一時的に設定したり、保存を許可したりするなどの措置を講じましょう。
また、圧縮ファイル形式はzipおよび7zです。これらの解凍が上手くいかない場合は、フリーの解凍ソフトを試してみることも検討してください。これらのファイル形式に対応しているフリーソフトは複数ありますが、評判が良い「7-Zip」についての参考記事を以下に共有しておきます。
参考資料1:エクスプローラーに解凍機能はあるけど……やっぱり「7-Zip」には敵わない – 窓の杜
参考資料2:[Windows 11] 拡張子「.7z」のファイルを展開(解凍)する – ぼくらのハウツーノート
DH日本語化プロセス①:パッチャー(EuropaEnginePatcher)を適用する
上記リンクから、「パッチャー(EuropaEnginePatcher)」のzipファイルをダウンロードしてください。右下の「ダウンロード」ボタンを押すことで、ダウンロードが始まります。
zipファイルを解凍すると、上記のようなファイルが確認できます。このうち「EuropaEnginePatcher.exe」を実行するとともに、起動されたパッチャーに「Darkest Hour.exe」をドラッグ&ドロップしましょう。
「パッチの適用に成功しました」と表示されれば、このプロセスは完了となります。
解決方法:もしもパッチャーが使用できない場合
パッチャーの使用にあたっては、PCに「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」がインストールされている必要があります。もし未インストールの場合は、下記のMicrosoft公式ウェブサイトからダウンロード&インストールを行い、改めてパッチャーの起動を行ってみましょう。
「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」リンク
上記の「ダウンロード」ボタンを押すことで、ダウンロードが始まります。
場合によっては、「Microsoft .NET Framework 3.5 Service Pack 1」のインストール後にPCを再起動する必要がありますので、その点にも注意してください。
DH日本語化プロセス②:和訳ファイル(JPN1051_classic_a02)を適用する
上記リンクから、「和訳ファイル(JPN1051_classic_a02)」の7zファイルをダウンロードしてください。「ダウンロードページを開く」ボタンを推し、画面の指示どおりに待つことでダウンロードが始まります。
7zファイルを解凍すると、これらのファイルが展開されます。7zは圧縮率の大きなファイル形式のため、解凍に時間が掛かるパターンがありますので、その点はご了承ください。
展開された「Darkest Hour」フォルダについて、元データにドラッグ&ドロップして上書きすることで、和訳ファイルの適用は完了します。
もしSteam版の場合、フォルダ名は「Darkest Hour A HOI Game」と若干違うものになっていますが、これらを一致させることでMOD適用は可能です。
なお、こうしたプロセスを踏むため、MOD導入方法の記事でも解説したとおり、元ファイルのバックアップをとっておいたほうが良いでしょう。階層が一致するように上書きしないと起動できなくなりますので、この点にも注意が必要です。
DH日本語化失敗の解決策
本項目では、「DH日本語化」の際に発生しやすい失敗について、推定される原因と解決方法を提示していきます。
ゲーム起動時に文字化けが発生する
日本語化に失敗した場合、上記のように文字化けして読めないテキストが表示されてしまいます。これは「パッチャーの未適用or適用ミス」が考えられるため、再度このページの手順に沿ってパッチャーを当てる工程を実施してください。
無事にパッチャーが適用された場合、上記のように日本語の文章が表示されるようになります。
日本語化パッチの適用に失敗する
パッチャーを用いた日本語化パッチの適用に失敗した場合、「パッチの適用に失敗しました」という警告ウィンドウが表示されます。この原因として多いのは、すでにパッチファイルが適用されたファイルへ使用してしまったパターンです。
よって、パッチ未適用のexeファイル(実行ファイル)に対し、日本語化パッチの適用プロセスを再度実行しましょう。
日本語化パッチの適用に失敗する(Ver1.05固有事例)
使用した「EuropaEnginePatcher(EEP)」のバージョンが古い可能性があります。EEPのバージョンが0.54以降のものを使用し、再度日本語化を試みてください。
日本語化に成功した場合、「パッチの適用に成功しました」のメッセージウィンドウが表示されます。
和訳ファイルの導入失敗&シナリオが消失してしまった
和訳ファイルが正しく導入していない場合、そもそも日本語ではなく英文が表示されてしまう。
選べるはずのシナリオが、選択肢から消失してしまう。
英文表示のままのうえ、フォントも崩れてしまうといった問題が発生します。
これらはいずれもDHの実行ファイルに対し、正しく日本語化の措置が施されていないことが原因です。
実行ファイルに、和訳フォルダをドラッグ&ドロップしましょう。また、この時に階層を一致させるようにすることで、実行ファイルが正しく日本語化のファイルを読み込みつつ、ゲームに必要なファイルも正しく読み込んでくれるようになります。
また、下記の「研究機関・大臣が消失してしまった」と複合した原因である可能性があります。そちらもあわせて参照してください。
研究機関・大臣が消失してしまった
上記の和訳失敗例と同様に起こりやすいのが、研究機関や大臣が消失してしまうという現象です。
フォントも崩れており、正常なゲームプレイを妨げることは言うまでもありません。
これらの原因も、やはり正しい階層に和訳フォルダが格納されておらず、本来想定される日本語化の導入に失敗していることが考えられます。
「MODSフォルダ」の直下に和訳フォルダを導入し、再度ゲームを起動しましょう。
正しい場所に導入することで、このように整った形での日本語化につながります。
日本語化失敗の原因の多くは、「和訳フォルダを入れる場所・階層が違う」点に起因しています。
しっかりバックアップをとり、導入が完了するまで焦らずにゆっくり待ち、時にはパソコンを再起動するなどリフレッシュさせてから、これらの作業を実施しましょう。
文字が重なる・文字が枠からはみ出す
フォントサイズが大きすぎて、文字が重なる。また、同じように大きすぎるために、枠からはみ出す。日本語化こそできているものの、せっかくのゲームの雰囲気が崩れてしまう現象が起きることがあります。
これは、フォント設定ファイルが未導入であるパターンです。
解凍して出てきたファイルのなかにある、「_INMM.in」を導入しましょう。これでDH内での日本語表示が最適化され、理想的な画面表示へ移行することができます。
UNKNOWN STRINGが多発する(Ver1.05固有事例)
一見、問題なく日本語化できた。さあ遊ぼうとプレイしてみると、詳細なデータが出るはずのところに「UNKNOWN STRING WANTED」がズラリと羅列されてしまう。
面食らう現象ですが、こちらも日本語化に伴うエラーであり、DHVer.1.05ナンバー固有の事例です。これは本体のバージョンアップに対し、古い和訳ファイルを導入していることが原因と考えられます。
したがって、新しい日本語化ファイルをダウンロードし、最新バージョンに適したやり方を再度確認しながら導入することで、このように正しい表示が出るようになります。
ユニットに対する地形影響の表記等がバグる(Ver1.05固有事例)
日本語化は上手くいったものの、ユニットに対する「天候・地形に対する修正係数」などが表示されないエラーが起きることがあります。
これは「導入した和訳ファイルのバージョンが古い」ことが原因と推定されるため、「α0.11以降の和訳ファイル」を再導入しましょう。
ゲーム内で使用している和訳ファイルのバージョンが確認できない(Ver1.05固有事例)
日本語化は上手くいったものの、導入した和訳ファイルのバージョンが表示されないことがあります。
これも「和訳ファイルのバージョンが最新ではない」ことが原因と推定されるため、「α0.2以降の和訳ファイル」を再導入しましょう。
その他の事案の解決策
前提として、「DH」が本来の環境で起動し、問題なくプレイできるかどうかを確認する必要があります。
日本語化する前のインストール直後の状態(英語のままの状態)で、ゲームの起動およびプレイができるかどうかを確認してください。
インストール直後にもかかわらず、起動やプレイが正常に行えない場合は、DHならびにパソコンの問題であると考えられます。
「導入の手引き」を確認し、解決を図りましょう。
英語の状態では起動&プレイできるが、日本語では上手くいかない
上記の失敗事例を再度確認し、解決できる類例がないかを確認してください。
それでも上手くいかない場合は、未知の状況の可能性があります。
下記のdiscordチャンネルから、問い合わせを行ってみてください。
■Discordチャンネル(hoi2 Datawiki総合)
https://discord.gg/dFsQWBu
上級者向け項目
「HoI2」へのMOD導入に慣れている方、ひいてはさらなる楽しみを求める方向けの項目です。
旧バージョン
旧バージョンである1.04以前について、日本語化する情報を掲載しています。
新バージョンとの混同を避けるため、別ページ(HoI2DataWiki)へリンクしています。
シンプル/エキスパートバージョン
オプションとして、異なる翻訳文の別バージョンがそれぞれ用意されています。
お好みに応じて、ご利用ください。
日本語化の範囲(凡例)
○:ほぼ日本語化
△:一部が日本語化
×:日本語化なし
2019エイプリルフール企画
2019年のエイプリルフールに行われた、”嘘企画の本物ファイル”です。和訳ファイルとの混同に注意し、下記リンクからご利用ください。
各バージョンの概要については、それぞれの項目でスクリーンショットとともに解説しています。また、それぞれ各言語化できている範囲が異なるため、後段の「日本語・露語・独語化の範囲」の項目もご確認をお願いします。
各バージョン ダウンロードリンク |
DLリンク(ミラー) | 容量(解凍前/解凍後)・備考 |
---|---|---|
ミカドバージョンα0.1 | ミカドDL(ミラー) | (約4.4MB/約37MB) |
ナロードヌィバージョンα0.1 | ナロードヌィDL(ミラー) | (約3.8MB/約32MB) |
フォルクバージョンα0.1 | フォルクDL(ミラー) | (約4MB/約33MB) |
リカバリーパッチ | リカバリーDL(ミラー) | (約4KB/約8KB) オープニングミュージックをデフォルトに戻すパッチ |
ミカド(Mikado/日本語化)
〈国家選択画面〉
〈ゲーム開始時〉
〈研究画面〉
〈生産画面〉
ナロードヌィ(Народный/ロシア語化)
〈国家選択画面〉
〈ゲーム開始時〉
〈研究画面〉
〈生産画面〉
フォルク(Volk/ドイツ語化)
〈国家選択画面〉
〈ゲーム開始時〉
〈研究画面〉
〈生産画面〉
TIPS:日本語・露語・独語化の範囲
【凡例】
○:ほぼ日本語化・露語化・独語化が完了している
△:一部が日本語化・露語化・独語化できている
×:日本語化・露語化・独語化は存在しない
〈各バージョン遷移リンク〉
ミカド(light/done)
ナロードヌィ(light/done)
フォルク(light/done)
ミカド(full)
ナロードヌィ(full)
フォルク(full)
ミカド(light/done)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | ○ | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | ○ | |
研究機関 | ○ | |
司令官 | ○ | |
初期配置艦船名 ユニット名 |
△ | 1936/1945 アビス/アルマゲドンシナリオのみ |
新規生産艦船名 ユニット名 |
○ |
ナロードヌィ(light/done)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | ○ | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | ○ | |
研究機関 | ○ | |
司令官 | ○ | |
初期配置艦船名 ユニット名 |
△ | 1936/1945 アビス/アルマゲドンシナリオのみ |
新規生産艦船名 ユニット名 |
× | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
フォルク(light/done)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | ○ | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
研究機関 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
司令官 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
初期配置艦船名 ユニット名 |
△ | 各言語のラテン文字表記 |
新規生産艦船名 ユニット名 |
△ | 各言語のラテン文字表記 |
ミカド(full)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | × | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | ○ | |
研究機関 | ○ | |
司令官 | ○ | |
初期配置艦船名 ユニット名 |
△ | 1914/1933/1936 1944/1945シナリオのみ |
新規生産艦船名 ユニット名 |
○ |
ナロードヌィ(full)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | × | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | × | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
研究機関 | × | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
司令官 | × | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
初期配置艦船名 ユニット名 |
× | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
新規生産艦船名 ユニット名 |
× | キリル文字不使用 (ラテン文字表記) |
フォルク(full)
項目 | 可否 | 備考 |
---|---|---|
歴史概要 | × | |
基礎UI | ○ | |
地名 | ○ | |
イベント本文 | ○ | |
大臣 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
研究機関 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
司令官 | △ | 各言語のラテン文字表記 |
初期配置艦船名 ユニット名 |
△ | 各言語のラテン文字表記 |
新規生産艦船名 ユニット名 |
△ | 各言語のラテン文字表記 |